按鍼堂は今年6月より、新たに
「訪問・在宅マッサージ部門」
を始めさせていただきました。
「訪問・在宅マッサージ」は、
「訪問マッサージ」「在宅マッサージ」「在宅療養マッサージ」
「訪問医療マッサージ」「訪問リハビリマッサージ」など、
色んな呼ばれ方をすることがありますが、
すべて同じようなものだと思って下さい。
「訪問マッサージ」とは、通院(外出)が困難な方が、
ご自宅に居ながらにして、国家資格保有者が行う専門の
マッサージを受けることができるというものです。
医療保険を利用するため、自己負担が少なくて(1~3割負担)すみます。
ただし、保険を利用するために医師の同意書が必要となります。
「こんな説明じゃ分からない」「もっと詳しく知りたい」という方のために、
Q&A方式で、詳しく説明をさせていただきますね。
ちょっと(かなり?)長い文章になりますが、お付き合い下さいませ(o^∇^o)ノ
◆訪問マッサージの対象となるのは?
医療保険を利用して訪問マッサージを受けることができるのは、
「通院困難な方」のみ、となります。
「自分一人の力では病院へ通うことができないので、在宅で治療を受けてもいいですよ」
とお医者様に認められないと、保険を使うことはできません。
具体例をあげると、
・脳梗塞になって体に麻痺が残ってしまい、自分の力だけで歩くのが難しい。
・骨折した後、後遺症が残ってしまい、うまく歩くことができない。
・パーキンソン病にかかっていて、一人で歩くことが難しい。
(いつもではなく、時間帯によって歩けない、でも可能)
・病気や怪我をしてから、寝たきりになってしまい、自分の力で歩くことが難しい。
などなど、例をあげれば切りがありませんが、つまりは、
「なんらかの理由(病気)で、自分の力だけで病院へ通うことができない」
と、お医者様が認めてくれるかどうか、これが基準となります。
※介助してくれる方がいれば通院できるという方も、訪問マッサージの対象です。
「脳卒中後遺症」「パーキンソン病」「関節リウマチ」「変形性関節症」
「変形性脊椎症」「脊柱管狭窄症」「脊髄損傷後遺症」「骨折後後遺症」
などの疾患がある場合は、同意書を書いてもらいやすいと思いますが、
それらの疾患がなかったとしても(廃用症候群=高齢で筋力が低下しているだけ、とか)
お医者様によっては通院困難と認めてもらえるかもしれません。
ご自分またはご家族が訪問マッサージの対象となるかどうか分からない場合は、
まずは当院にご相談下さい。
場合によっては、マッサージ師がお医者様のもと(医療機関)へ一緒に行って、説明をいたします。
※健常者(自分自身で自由に外出できる元気な方)は、保険適用にはなりません!
◆訪問マッサージの効果は?
専門家(あん摩マッサージ指圧師)によるマッサージやリハビリ、運動療法を受けることで、
・関節拘縮の予防と改善
※関節拘縮とは→関節を動かさずにいると関節が硬くなり、関節が動く範囲が狭くなること
・筋力低下の予防と改善、筋力の維持と強化
・疼痛(痛み)や浮腫(むくみ)の緩和
・麻痺の回復
・ADL(日常生活動作)、QOL(生活の質)の向上
・褥瘡(じょくそう=床ずれ)など血行障害の改善
などの効果があるとされています。
「専門的なことは苦手なんだけど・・・」という方のために、
訪問マッサージの効果を分かりやすく言い換えると
・マッサージをすることで、筋肉や関節の動きを良くして、寝たきりにならないようにする。
・起き上がったり、トイレに行ったり、などの普段の動作をしやすくする。
・体に不自由な部分があることで、たまりやすい疲れを取り除く。
・マッサージをしてもらって、肉体的・精神的に気持ちよくリラックスする。
こんな風に考えていただけるといいと思います。
なお、すでに訪問リハビリを利用されている方の場合、
リハビリの前にマッサージを受けることで、筋肉をほぐし、
関節を動きやすい状態にできますので、リハビリを行いやすくなります。
リハビリの後でマッサージを受けると、リハビリでたまった筋肉の疲れなどを
取り除くことができます。
リハビリの前後どちらに訪問マッサージを利用するかは、利用者の方の好みですが、
どちらにせよ、リハビリの効果を高めることができるのでお勧めです。
◆料金はどのくらいかかるの?
医療保険が使える場合(医師の同意書がもらえた場合)の料金は、
通常の医療機関と同じように考えて下さい。
病院で1割の自己負担分を支払われている方は、同じように1割分の金額を、
3割の自己負担分を支払われている方は、3割分の金額をお支払いただくことになります。
お持ちになっている保険証に、自己負担割合が記載されていますので、
そちらをご確認いただければ分かると思います。
では、一体どれくらいの金額に対して自己負担を支払えばいいのか?
という話になるのですが、これは、
訪問先までの距離やマッサージする部位の数などによって異なります。
施術料(マッサージ代)も往診料も保険適用となりますので、
両方を合わせた合計金額が基準となります。
往診料は、往診距離(マッサージ師の出発点~訪問先までの直線距離)によって、
2kmごとに金額が変わります。
例えば、往診距離が0~2km未満の場合は1860円(往診料のみ)、
そこから先は2km距離が伸びるごとに、800円増えていきます。
※2~4km未満は2660円、4~6km未満は3460円・・・
この金額は、往診料のみの額ですので、これに施術代が加わります。
施術代(マッサージ代)は、お医者様がどの部分にマッサージが必要か、
マッサージ以外の治療(温罨法=温める治療、変形徒手矯正術=リハビリ運動みたいなもの)
が必要かどうか、をどのように判断されるか、
同意書に、どの部分のマッサージとそれ以外の治療が必要と書いてくれるかどうか、
つまりは、お医者様の判断次第で施術代(=マッサージできる部位と数)が変わるのです。
具体的に言えば、マッサージ1局所(右上肢だけ、とか)だけの場合は260円、
それが2局所(右上肢と右下肢、など)になると倍の520円、
3局所(右上肢と右下肢と体幹、など)になると、260×3=780円、というように、
マッサージが必要と認めてもらえた部位が増えるごとに260円ずつ増えます。
※ただし、最大で5局所まで(左右の上肢、左右の下肢、体幹)
さらに、温罨法(温める治療)が加わると70円が加算され、
変形徒手矯正術(関節を動かしたりするリハビリ運動のようなもの)が加わると、
1肢(右腕とか左足とか)につき535円が加算されます。
・・・・ややこしいですね。
もっと簡単に具体例を示して、説明しましょう。
☆往診距離1.2km(マッサージ師の出発点~訪問先の家までの直線距離)
マッサージできる部分は右上肢と右下肢(2局所)、変形徒手矯正術は右上肢のみ
このような条件で訪問マッサージに伺うことになったAさんの場合、
マッサージ代は、260×2局所=520円
その他の治療代(変形徒手矯正)は、535円
往診料は、1860円(0~2km未満)
すべてを合計すると、520+535+1860=2915円
この2915円が、1回の訪問マッサージにかかる費用となります。
このうちの、1割または3割が自己負担分となりますので、
実際に、利用者の方がお支払いただく金額は、
1回につき292円(1割負担の方)、または875円(3割負担の方)です。
これは、1回分の訪問マッサージに対する自己負担金ですので、
1ヶ月に8回(週2回ペース)でご利用いただいた場合は、1か月分で、
およそ2340円(1割の方)、または7000円(3割の方)となります。
※お支払い方法は、1回ごと、または1か月分まとめて、どちらかになりますが、
当院では1ヶ月分まとめてのご請求とさせていただいております。
すべて、このような感じで、それぞれの条件(往診距離、回数など)に合わせて金額が決まるので、
具体的な料金については、お問い合わせいただくのが一番かと思います。
「金銭的にちょっと・・・」という方の場合は、1か月分の自己負担額が予算内で収まるように、
訪問回数やマッサージ部位を調節して、予定を組むことも可能です。
利用者の方の希望を優先しますので、安心してご相談下さい。
◆マッサージの回数は決められているの?
保険を利用して、1ヶ月に受けることができるマッサージの回数は決められていません。
極端に言えば、毎日つまり1ヶ月間で30回、訪問マッサージを受けることも可能なのですが、
さすがに、それは保険者(自己負担分以外を負担してくれる団体)の方から
「本当に、それだけの回数のマッサージが必要なのですか?」と確認される可能性があります。
医療保険を利用してマッサージを受けるということは、
お医者様が「貴方(この場合は、マッサージを受ける人)には、これだけのマッサージが必要です」
と、認めてくれる必要があるんです。
どの部位にマッサージが必要か、だけではなく、どのくらい(回数)必要か、ということも
お医者様の判断次第(ただし、同意書にマッサージの回数を記載する箇所はありません)、
と思って下さい。
もし、同意書を書いてくれたお医者様が「貴方は毎日マッサージを受けたほうがいいですよ」
と言ってくれたとしたら、毎日、訪問マッサージを受けることも可能かもしれません。
しかし、もしも毎日(1ヶ月で30回程度)マッサージを受けると、自己負担額も増えますし、
マッサージ師の都合(お店の定休日とか)や利用者の方の都合もあるので、
1ヶ月に受けることができるマッサージの回数は、25回くらいまでが限界でしょう。
その25回ですら、保険者から正式に認めてもらえる、という保証はありませんが・・・
現実的には、1週間に1~4回、1ヶ月にすると、4~16回程度が妥当だと思います。
※1ヶ月に16回といえば、2日に1回マッサージを受ける計算になりますね~
つまりは、訪問マッサージを受ける方の状態(体の具合)や希望、予算(自己負担の金額)、
保険者(公費負担分を支払ってくれる団体)の考え方などを考慮した上で、
利用者の方とマッサージ師、ご家族の方の間で、マッサージの回数を決めることになります。
◆どんな保険が使えるの?
訪問マッサージで使用するのは、医療保険です。
※もちろん、お医者様の同意が得られた場合だけですが。
医療保険というのは、病院で診察を受ける時に使っている保険のことです。
後期高齢者医療保険、国民健康保険、社会保険、共済保険などが
医療保険にあたります。
ご注意いただきたいのは、介護保険は使用できない、ということです。
介護保険が適用となるサービスの中に、残念ながら訪問マッサージは含まれないのです。
その代わりといってはなんですが、介護保険を使用しませんので、
介護保険の点数(限度枠)を気にする必要はありません。
デイサービスや訪問介護、介護用品のレンタルなどを利用していて、
介護保険の点数が足りない、限度額ぎりぎり、などの場合でも
訪問マッサージを利用することは可能です。
だって、介護保険ではなく、医療保険を使用するのですから。
医療保険には限度枠がありませんし、訪問マッサージの回数も、
月に何回まで、というような制限もありません。
※もちろん、あまりに回数が多いと保険者からクレームがつくおそれはありますが・・・
また、訪問マッサージの場合、医療との併用が可能(同じ病名で病院へ通っていても、
訪問マッサージも医療保険で受けられる)という利点があります。
介護保険を使わないので、訪問リハビリと合わせて訪問マッサージを
ご利用いただくこともできます。
◆1回のマッサージにかかる時間はどれくらい?
マッサージの部位と数(どの部位にマッサージが必要と認めてもらえるか)、
他の治療(変形徒手矯正術、温罨法)を加えるかどうか、によって
1回にかかる時間は変わってしまいますが、
通常の場合、およそ25~30分だと思って下さい。
もちろん、1部位(左上肢だけ、など)だけのマッサージしか
お医者様に認めてもらえなかった場合などは、10~15分と短くなりますし、
5部位(両手足と体幹)すべてマッサージを認められて、
さらに変形徒手矯正術(関節リハビリ運動のようなもの)も認められたりすると、
もっと長い時間(30分以上)をかけてマッサージを行うこともできます。
1部位のマッサージに対する料金(保険で認められている料金)が260円と、
低価格に設定されていますので、マッサージできる時間が限られてしまうんですね。
「もっと長くマッサージして」「もっと短くてもいい(←この希望は少ないかも)」など、
ご利用者の方それぞれにマッサージに対するご希望があるかもしれませんが、
すべてはお医者様の同意書しだい、同意書に認めてもらえた範囲内で
マッサージ師は、最善をつくしてマッサージを行います。
なお、当院のマッサージ師(=院長であり、夫ですが)は、
「お店の利益」よりも「利用者様の利益」を優先するタイプなので、
記載されている時間は、マッサージを実際に受ける時間となります。
車椅子からの移動やベッドへの移動、トイレなど、他にかかる時間は含まれておりません。
※経理担当の嫁としては、正直辛いところです・・・(;^_^A
◆同意書は、どうすればもらえるの?
医療保険を利用するために必要な医師の同意書は、
お医者様であれば、どの科のお医者様に書いてもらっても構いません。
※内科、外科、整形外科、皮膚科など。ただし、歯科はダメです。
とはいえ、一度も行ったことがないお医者様に、
いきなり「同意書を書いて下さい」というケースは少ないと思います。
まずは、かかりつけのお医者様(主治医の方)にご相談下さい。
※毎月定期的に通っていなくても、何かあった時に診察を受けるところでもOKです。
複数の診療科にかかっている方は、整形外科以外の科をお勧めします。
「訪問マッサージを受けたいのですが、同意書を書いてもらえますか?」
という風に、患者様もしくはご家族の方から、
お医者様に依頼していただくことになります。
訪問マッサージに必要な同意書と同意書依頼文の紙は、
無料体験の時に、お渡ししますので、そちらを持って行っていただくことになります。
それらの書類(同意書&依頼文)を持って、お医者様のところへお願いに行けば、
絶対に同意書を書いてもらえる、かどうかは正直なところ分かりません。
患者様が訪問マッサージが必要な状態である(医学的にみて)にもかかわらず、
医師が同意書を書くことを拒否することはできない、はずなのですが、
訪問マッサージが必要かどうかを判断するのは、お医者様ですので、
必要ないと判断されてしまえば、同意書はもらえないということになってしまうんです。
もし、かかりつけのお医者様に同意書を書いてもらえなかった場合、
他のお医者様のところへ診察に行って、同意書を書いてもらえるようにお願いすることはできます。
同意書を書く医師は主治医でないといけない、という決まりはありませんから。
同意書を依頼しに行って断られた場合は、まずはマッサージ師にご相談下さい。
同意書を書いてくれたことがあるお医者様をご紹介することもできますし、
マッサージ師からお医者様に同意書について説明し、お願いすることもできます。
「マッサージの同意書を書いてもらえるようにお願いする=お医者様に対して失礼なこと」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、同意書の依頼は患者様の正当な権利です。
訪問マッサージが必要な状態であれば、堂々と同意書を依頼して下さい。
それでも同意書を書いてもらうことに不安がある方は、
当院のマッサージ師を連れて、お医者様のところへ依頼に行きましょう。
◆どんな手続きが必要なの?必要なものは?
まず最初に、「按鍼堂 訪問・在宅マッサージ部門」までお電話を下さい。
フリーダイヤル 0120-54-5519
ご本人様、ご家族様、ケアマネージャー様、どなたからでも構いません。
ご利用を希望される方のご自宅(または老人ホーム)へ
無料体験(お試しマッサージ)と手続き等の説明に伺います。
当院では、まずは実際に訪問マッサージを体験(お試しなので、無料)していただいて、
それから訪問マッサージを継続的に利用するかどうかを決めていただくようにしております。
保険を使えるかどうか、どうやって同意書をもらえばいいのか、本当に効果があるのか、
など、さまざまな疑問や不安もあるかと思いますので、
初回の無料体験の時に、そのような疑問や不安を解消していただくのが
利用者様にとって一番分かりやすい、それが当院の方針です。
初回無料体験の際には、とくに準備していただくものはありません。
保険証の種類(医療保険の種類)や自己負担割合、かかりつけの病院名、
かかっている(かかったことのある)病気など、
利用希望者の方に関する情報を、マッサージ師に教えていただければ構いません。
ご本人様ではなく、ご家族様やケアマネージャー様からの説明でも構いませんが、
実際にお試しマッサージを受けていただくのは、ご本人様ですので、
訪問マッサージを希望される方がいらっしゃる時に、ご自宅(または施設)にお伺いするように
日程を調整し、無料体験の予約を取らせていただきます。
無料体験の際に、お医者様にお願いする同意書と同意書依頼文をお渡しします。
その後、実際に訪問マッサージの利用を開始(同意書をもらってから)されましたら、
印鑑(認印でOK)、同意書、保険証(医療保険)をご用意下さい。
なお、無料体験を受けたからといって、絶対に訪問マッサージを利用しなくてはいけない、
ということはありません。(押し売りは決してしませんので、ご安心を♪)
場合によっては、お医者様の同意書がもらえなくて、
訪問マッサージを利用したいのに利用できない、という可能性もあるのですから。
もし、無料体験を受けてみて、自分にはマッサージは必要ない(もしくは、気に入らない)と
思われたなら、ご遠慮なく断ってくれて構いません。
訪問マッサージを受けるかどうかは、ご利用者様の意思にお任せいたします。
◆どこに申し込めばいいの?
最寄の訪問マッサージのお店に申し込んで下さい。
香南市在住の方の場合、市内で訪問マッサージを行っている店は、
「按鍼堂」しかありませんので、
「按鍼堂 訪問・在宅マッサージ部門」にお電話下さい。
連絡先(電話番号)はコチラです↓
フリーダイヤル 0120-54-5519
携帯電話からでもつながります。
ただし、高知県内限定のフリーダイヤルですので、県外からはつながりません。
フリーダイヤルでつながらなかった場合は、コチラ↓へお電話下さい。
「按鍼堂(あんしんどう)」 0887-54-5510
実は、訪問マッサージの場合、往診料が医療保険で負担してもらえるのは(自己負担分以外)、
往診距離(マッサージ師の出発点~往診先までの直線距離)が16kmまでと決まっています。
16kmを超える距離のお宅まで往診したら、往診料は全額自己負担となってしまうんです。
しかも、往診距離(地図上の直線距離で)が6kmを超えてしまうと、
往診料は一律(6km以上は、すべて4260円。それ以上は増えない)となります。
だから、訪問マッサージのお店としては、訪問マッサージにお伺いする範囲は、
お店の場所から直線で6kmちょっとの所まで、ということになるのです。
按鍼堂は、香南市野市町みどり野に、お店がありますので、
およそ香南市内は訪問エリア内ということになります。
だからといって、お隣の南国市や香美市には絶対に往診に行かない、というわけではないので
香南市外の方の場合でも、気軽にお電話下さい。
按鍼堂 ブログ担当 兼 レセプト(保険請求)担当 ☆みっちん☆